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Rapid publishing for public health books against COVID 19
イベント「CSS組版 Vivliostyle ユーザーと開発者の集い 2020秋」
https://vivliostyle.connpass.com/event/189940/
14:50-15:15(25分)Rapid publishing for public health books against COVID-19(Simon Worthington)(村上真雄による背景説明+字幕翻訳付)
この発表は、4月にVivliostyleサイトのブログ記事で紹介した「ドイツ国立科学技術図書館が Vivliostyle により、COVID-19対策の公衆衛生教科書を出版」の最新の続報です。
https://vivliostyle.org/ja/blog/2020/04/10/tib-book-against-covid19/
4月の段階のこの記事では、
「4月9日、TIB(ドイツ国立科学技術図書館)はその最初の成果である教科書 “Krisenmanagement” (危機管理)を、 Vivliostyle を使って完成させたことを発表」
とありますが、そのあと続々とこのシリーズで本が作られて現在次の7冊が公開されています:
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Krisenmanagement (危機管理)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/krisenmanagment/ -
Der Kinder-und Jugendgesundheitsdienst (子どもと若者の健康サービス)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/KJGD/ -
Begutachtung im Öffentlichen Gesundheitsdienst (保健医療サービスにおける評価)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/Begutachtung/ -
Der Öffentliche Gesundheitsdienst (公衆衛生局)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/OeGD/ -
Der Sozialpsychiatrische Dienst (社会精神医学サービス)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/SpDi/ -
Sozialmedizinische Assistenten/innen (社会医療補助員)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/SMA/ -
Globale Gesundheit (国際保健)
https://akademie-oeffentliches-gesundheitswesen.github.io/GlobaleGesundheit/
各書籍のWebサイトは、
- サイドバーの目次から本の内容をWebページとして読める
- "Lehrbuch auf GitHub" (GitHub上のテキストブック)リンクからGitHub上での本の内容、EPUBやWebブックのソース一式が見れます。
- "PDF" のリンクからPDFが得られます。Vivliostyle CSS組版によって作られています。
- "Web-Buch" (Webブック)のリンクからVivliostyle Viewerで本を読むことができます。 (Webブックの中身は、CSS組版のソースであるHTMLとCSSなどです)
もうひとつの同様の事例:
- The Independent SAGE Report 2
https://independent-sage.github.io/Should-Schools-Reopen/
ではこの出版プロジェクトをリードしているSimon Worthingtonさんと、CSS組版関係を担当しているRaquel Eulateさんから、この事例と今後の課題についての発表
- (動画) The Future Open Book: Rapid publishing for public health books against COVID-19
https://www.youtube.com/watch?v=eOcl9O_qPN8
説明:
オープンアクセスのマルチフォーマットブックの制作ワークフローを完全に自動化し、電子書籍、プリントオンデマンド、スクリーンPDF、ウェブブック、ウェブサイト、相互運用可能なソースを制作・配布するために克服すべき障壁について、2つのケーススタディを紹介します。
最初のケーススタディでは、ドイツのデュッセルドルフにある公衆衛生アカデミー(Academy of Public Health in Dusseldorf)のために、オープン・サイエンス・ラボ(Open Science Lab, TIB - German National Library of Science and Technology)との共同研究として、トレーニング・マニュアル用の8冊の書籍スプリント(一部にMOOCモジュールを含む)を作成しました。
2つ目のケーススタディでは、Independent SAGE (UK) の既存のレポートをオープンアクセス、マルチフォーマットに変換し、マルチチャンネルでの配布を可能にし、学術的なリポジトリに保管しています。
indie_SAGEプロジェクトでは、この作業を実施するためのボランティアの学術ワーキンググループを作成しました。ここで、私が個人として活動していることを付け加えておきます。Independent Science Advisory Group for Emergencies (indie_SAGE)は、元英国政府最高科学顧問のSir David King氏によって2020年5月に結成され、「COVID-19危機からの死亡者数を最小限に抑え、英国の復興を支援する方法について」と引用されています。
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発表テキストの日本語訳 https://docs.google.com/document/d/14Uz...
この発表の内容は、TIB(ドイツ国立科学技術図書館)のサイトの次のブログ記事にも掲載されています:
- The Future Open Book by Simon Worthington
https://blogs.tib.eu/wp/tib/2020/10/21/the-future-open-book/
また、このドイツの事例のほかにもうひとつ、英国の科学者を中心とするグループ Independent-SAGE での同様の出版プロジェクトについて紹介がありました:
- indie_SAGE Technical Publishing Working Group #iSTPWG
https://github.com/Independent-SAGE/Technical-Publishing-Working-Group
いずれも "Rapid Publishing Pipeline"(迅速な出版のパイプライン)により複数フォーマット・複数チャネルへの出力という図があります。
以下はそれを簡略化して、Vivliostyle の役割が理解しやすいものにした図です:
リアルタイム共同編集
Fidus Writer → GitHub上に WebBook → Vivliostyle → ブラウザで読める WebBook
(中身はHTML+CSSなど)
├→ Vivliostyle → PDF
│ └→ Print-on-Demand
├→ EPUB
└→ Website
(ソース) (複数フォーマット/複数チャネルへの出力)
ここで原稿執筆・リアルタイム共同編集のツールとして使われているのは、Fidus Writer という学術出版用のオンライン・エディターです。(このオープンソースの開発者は Vivliostyle Foundation の理事のひとりでもある Johannes Wilm です。)
Fidus Writerで編集作業中の動画:
Vivliostyle と Fidus Writer(また、その開発者の Johannes)との関係については、次の記事をご覧ください:
- Vivliostyle と Webベース出版について——Fidus Writer 開発者によるインタビュー
https://vivliostyle.org/ja/blog/2018/11/12/interview-by-fiduswriter/
この公衆衛生教科書や報告書の迅速な出版プロジェクトではWebの標準仕様とCSS組版を活かして、WebBook、PDF、印刷、EPUB、Webサイトといった複数フォーマット/複数チャネルへのより効率的な出版を実現しようとしています。
そこで鍵になるのは、CSS組版のソースであり、EPUBやWebサイトに展開することになるHTMLファイル群をどう作るかだと思います。
ひとつの本を作ることができるHTMLファイル群と関連ファイル(CSS、画像、フォントなど)をまとめたものを「WebBook」と定義できます。
このプロジェクトでの「WebBookフォーマット」の議論をGitHub上で行っています:
- WebBook format
https://github.com/Health-Sprints/obp/issues/3
WebBook の仕様として参考にできるもの:
- WebBook Level 1 (Unofficial Proposal Draft, 2 February 2018)
http://glazman.org/e0/webbook.html
W3Cによる出版物マニフェスト(出版物に含まれるファイル群と順番、メタ情報など記述)の仕様:
- Publication Manifest (W3C Proposed Recommendation 01 October 2020)
https://www.w3.org/TR/pub-manifest/
この公衆衛生教科書・報告書のプロジェクトと、Vivliostyle の新しいプロジェクト「Vivliostyle Pub」は直接の関係は今のところないですが、いろいろ参考になりそうです。