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Rapid publishing for public health books against COVID 19

Shinyu Murakami edited this page Oct 23, 2020 · 4 revisions

「COVID-19に対する公衆衛生教科書の迅速な出版」について

イベント「CSS組版 Vivliostyle ユーザーと開発者の集い 2020秋」
https://vivliostyle.connpass.com/event/189940/

14:50-15:15(25分)Rapid publishing for public health books against COVID-19(Simon Worthington)(村上真雄による背景説明+字幕翻訳付)

Introduction by @MurakamiShinyu

この発表は、4月にVivliostyleサイトのブログ記事で紹介した「ドイツ国立科学技術図書館が Vivliostyle により、COVID-19対策の公衆衛生教科書を出版」の最新の続報です。
https://vivliostyle.org/ja/blog/2020/04/10/tib-book-against-covid19/

4月の段階のこの記事では、
「4月9日、TIB(ドイツ国立科学技術図書館)はその最初の成果である教科書 “Krisenmanagement” (危機管理)を、 Vivliostyle を使って完成させたことを発表」
とありますが、そのあと続々とこのシリーズで本が作られて現在次の7冊が公開されています:

各書籍のWebサイトは、

  • サイドバーの目次から本の内容をWebページとして読める
  • "Lehrbuch auf GitHub" (GitHub上のテキストブック)リンクからGitHub上での本の内容、EPUBやWebブックのソース一式が見れます。
  • "PDF" のリンクからPDFが得られます。Vivliostyle CSS組版によって作られています。
  • "Web-Buch" (Webブック)のリンクからVivliostyle Viewerで本を読むことができます。 (Webブックの中身は、CSS組版のソースであるHTMLとCSSなどです)

もうひとつの同様の事例:

Presentation video (by Simon Worthington and Raquel Eulate)

ではこの出版プロジェクトをリードしているSimon Worthingtonさんと、CSS組版関係を担当しているRaquel Eulateさんから、この事例と今後の課題についての発表

The Future Open Book: Rapid publishing for public health books against COVID-19

説明:

オープンアクセスのマルチフォーマットブックの制作ワークフローを完全に自動化し、電子書籍、プリントオンデマンド、スクリーンPDF、ウェブブック、ウェブサイト、相互運用可能なソースを制作・配布するために克服すべき障壁について、2つのケーススタディを紹介します。

最初のケーススタディでは、ドイツのデュッセルドルフにある公衆衛生アカデミー(Academy of Public Health in Dusseldorf)のために、オープン・サイエンス・ラボ(Open Science Lab, TIB - German National Library of Science and Technology)との共同研究として、トレーニング・マニュアル用の8冊の書籍スプリント(一部にMOOCモジュールを含む)を作成しました。

2つ目のケーススタディでは、Independent SAGE (UK) の既存のレポートをオープンアクセス、マルチフォーマットに変換し、マルチチャンネルでの配布を可能にし、学術的なリポジトリに保管しています。

indie_SAGEプロジェクトでは、この作業を実施するためのボランティアの学術ワーキンググループを作成しました。ここで、私が個人として活動していることを付け加えておきます。Independent Science Advisory Group for Emergencies (indie_SAGE)は、元英国政府最高科学顧問のSir David King氏によって2020年5月に結成され、「COVID-19危機からの死亡者数を最小限に抑え、英国の復興を支援する方法について」と引用されています。

補足説明 Supplementary explanation by @MurakamiShinyu

この発表の内容は、TIB(ドイツ国立科学技術図書館)のサイトの次のブログ記事にも掲載されています:

また、このドイツの事例のほかにもうひとつ、英国の科学者を中心とするグループ Independent-SAGE での同様の出版プロジェクトについて紹介がありました:

いずれも "Rapid Publishing Pipeline"(迅速な出版のパイプライン)により複数フォーマット・複数チャネルへの出力という図があります。

Figure: Rapid Publishing Pipeline

以下はそれを簡略化して、Vivliostyle の役割が理解しやすいものにした図です:

リアルタイム共同編集
 Fidus Writer → GitHub上に WebBook → Vivliostyle → ブラウザで読める WebBook
                (中身はHTML+CSSなど)
                       ├→ Vivliostyle → PDF
                       │                 └→ Print-on-Demand
                       ├→ EPUB
                       └→ Website
(ソース)                           (複数フォーマット/複数チャネルへの出力)

About Fidus Writer and Vivliostyle Project

ここで原稿執筆・リアルタイム共同編集のツールとして使われているのは、Fidus Writer という学術出版用のオンライン・エディターです。(このオープンソースの開発者は Vivliostyle Foundation の理事のひとりでもある Johannes Wilm です。)

Fidus Writerで編集作業中の動画:

Fidus Writer (Real-time academic word processor) screen recording

Vivliostyle と Fidus Writer(また、その開発者の Johannes)との関係については、次の記事をご覧ください:

これからのオープンな出版の標準として「WebBook」

この公衆衛生教科書や報告書の迅速な出版プロジェクトではWebの標準仕様とCSS組版を活かして、WebBook、PDF、印刷、EPUB、Webサイトといった複数フォーマット/複数チャネルへのより効率的な出版を実現しようとしています。

そこで鍵になるのは、CSS組版のソースであり、EPUBやWebサイトに展開することになるHTMLファイル群をどう作るかだと思います。

ひとつの本を作ることができるHTMLファイル群と関連ファイル(CSS、画像、フォントなど)をまとめたものを「WebBook」と定義できます。

このプロジェクトでの「WebBookフォーマット」の議論をGitHub上で行っています:

WebBook の仕様として参考にできるもの:

W3Cによる出版物マニフェスト(出版物に含まれるファイル群と順番、メタ情報など記述)の仕様:

Vivliostyle の新しいプロジェクト「Vivliostyle Pub」との関係は?

この公衆衛生教科書・報告書のプロジェクトと、Vivliostyle の新しいプロジェクト「Vivliostyle Pub」は直接の関係は今のところないですが、いろいろ参考になりそうです。

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